Xの「地域別リプライ制限機能」とは?——正式開始の概要
X(旧Twitter)は2026年3月、投稿へのリプライ(返信)を地理的な地域に基づいて制限できる新機能を正式に導入した。この機能により、投稿者は「東アジア限定」「日本限定」など、特定の地域のユーザーにのみリプライを許可する設定が可能になった。
現時点ではAndroidとiPhoneのモバイルアプリ版で利用可能で、PC版は未実装の状態だ。日本のユーザーからは「ついに来た」「インプレゾンビを遮断できる」と歓迎の声が相次いでいる。
【機能概要】
機能名:地域別リプライ制限
正式開始:2026年3月
対応端末:Android・iPhone(PC版は未実装)
設定内容:投稿ごとにリプライ可能な地域を指定できる
なぜ日本で大歓迎なのか——「インプレゾンビ」問題の深刻さ
日本のXユーザーを長年悩ませてきたのが「インプレゾンビ」だ。日本語のトレンド投稿や話題の投稿に対し、海外アカウントが内容とまったく無関係な動画や絵文字を大量にリプライして閲覧数(インプレッション)を稼ごうとする行為を指す。
これはXの収益化プログラムの仕組みを悪用したもので、閲覧数さえ稼げば収益が発生するため、バズっている日本の投稿に「タダ乗り」するアカウントが大量発生していた。リプライ欄を開くたびに無関係なスパム投稿があふれ、純粋なコミュニケーションが阻害される状況が続いていた。
今回の地域別リプライ制限機能は、この問題に対してユーザー自身が直接対処できる手段として、日本では特に期待が高まっている。

【速報】収益ルールの地域重視化——発表から数時間でマスク氏が一時停止
この機能正式開始と前後して、もう一つの大きな動きがあった。Xのプロダクトリーダー・ニキータ・ビア氏が2026年3月25日、クリエイター向け収益分配プログラムを「ホーム地域」重視へと変更する方針を発表したのだ。
新しい収益ルールでは、アカウントの「居住地域(自国や近隣諸国)」および「同じ言語」を話すユーザーからのインプレッションに、より大きな重み付けを行うとしていた。つまり日本の投稿に海外からリプライしても収益化のインセンティブが低くなるため、インプレゾンビの活動を経済的に抑制する効果が期待されていた。
ビア氏は目的について「米国や日本のアカウントの注目を操作する行為を抑制するため」と説明。3月26日からの適用を予定していた。
しかし発表からわずか数時間後、イーロン・マスク氏がこの計画を「一時停止し、さらなる検討を行う」と表明。亡命先から自国へ情報を発信しているユーザーなどから「言論の自由を制限する」という反対の声が続出したことが背景にある。収益ルール変更は現時点で保留となっている。
Xのインプレゾンビ対策の歩み
Xはインプレゾンビ問題に対して段階的に対策を打ってきた。2026年1月には開発者向けAPIの利用規約を改定し、「投稿によって報酬が発生する仕組みを持つアプリ」の利用を禁止する方針を打ち出した。また、X API v2においてプログラムによる自動リプライを制限するアップデートも実施しており、LLM(大規模言語モデル)によって生成された自動リプライの大幅な減少が期待されている。
今回の「地域別リプライ制限機能」の正式開始は、これらの対策に続くユーザー主導の対抗手段として位置づけられる。
使い方——地域別リプライ制限の設定方法
地域別リプライ制限はモバイルアプリから設定できる。投稿作成画面でリプライ制限のオプションを選び、地域を指定するだけだ。「東アジア」「日本」など、特定の地域のユーザーのみがリプライできるよう設定が可能になっている。
なお現時点ではPC版(ブラウザ)では未実装のため、設定はスマートフォンアプリから行う必要がある。

まとめ——リプライ欄の「治安回復」は進むか
Xの地域別リプライ制限機能の正式開始は、インプレゾンビ問題に悩む日本ユーザーにとって待望の機能だ。ユーザー自身が投稿ごとにリプライ可能な地域を制御できるようになり、リプライ欄の環境改善が期待される。
一方で収益ルールの地域重視化はマスク氏の一時停止により保留中で、プラットフォームレベルでのインプレゾンビ抑制策の行方はまだ不透明だ。今後の続報に注目したい。


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