2026年4月17日、フィギュアスケートのペア「りくりゅう」こと三浦璃来(24)・木原龍一(33)が、今シーズン限りでの現役引退をインスタグラムで発表した。2月のミラノ・コルティナ冬季五輪で日本フィギュア史上初のペア金メダルを獲得してからわずか2か月での電撃発表に、ファンから驚きと感謝の声が相次いでいる。
引退発表の内容——2人の声明全文のポイント
2人はそれぞれのインスタグラムアカウントで連名の声明を発表した。声明の要点は以下の通りだ。
「この度、三浦璃来・木原龍一は今シーズンをもちまして現役を引退することを決断しました」と報告し、「競技人生には区切りをつけますが、私たちはやり切ったという気持ちでいっぱいで、悔いはありません。これまでのすべてが誇りであり、大切な財産です」と締めくくった。
チーム結成当初からのファン、木下グループをはじめとするスポンサー、Brunoコーチとコーチングチーム、家族・友人への感謝が丁寧につづられており、引き続き2人でペアの普及に向けた新しい挑戦をしていくという意向も示されている。

なぜ今引退——世界選手権辞退のコメントに伏線があった
引退の背景を読み解くうえで、2月27日に日本スケート連盟が発表した世界選手権辞退の声明が重要だ。そこには「今シーズンはオリンピックを大きな目標としており、シーズン開幕前から世界選手権に出場するかどうかについてはまったく考えていませんでした。オリンピックで金メダルを獲得することができたことから、心身のコンディションをオリンピック前の状態まで戻すことはやはり難しいと判断し、辞退を決断しました。今後に関してはシーズンが終わった後に私たち自身で発表させていただきます」と書かれていた。
また日本記者クラブでの会見でも、三浦は「以前に木原選手が引退する時は私も一緒に引退する時だとお話しさせていただいている。私が違う人と組んで、また続けるというのは絶対ない」と明言していた。世界選手権辞退の時点で、引退は既定路線に近い状況だったといえる。
三浦璃来・木原龍一のプロフィールと主な実績
三浦璃来(みうら・りく)
2001年12月17日、兵庫県出身。中京大卒。身長146cm。5歳からスケートを始め、2015〜16年シーズンにペアへ転向。2019年8月に木原龍一と新ペアを結成し、カナダを拠点に活動した。幼少期に空手経験があり、得意技は回し蹴り。
木原龍一(きはら・りゅういち)
1992年8月22日、愛知県出身。中京大卒。身長174cm。4歳からスケートを始め、シングルで2011年世界ジュニア男子代表に。2013〜14年シーズンからペアに転向。高橋成美との組で2014年ソチ五輪、須崎海羽との組で2018年平昌五輪に出場した。
りくりゅうとしての主な実績:
・2022年北京冬季五輪 団体銀メダル / ペア個人7位(日本ペア史上初の入賞)
・2022〜23年シーズン グランプリファイナル初優勝
・2023年 世界選手権優勝(日本ペア史上初)
・2025年 世界選手権優勝(2度目)
・2026年 ミラノ・コルティナ冬季五輪 金メダル(日本フィギュアスケートのペア史上初)

りくりゅうが日本のペアに残したもの
日本のフィギュアスケートはシングルが中心で、長年ペアは国際舞台では存在感が薄かった。りくりゅうが成し遂げたことは単なる「好成績」にとどまらない。
2人がカナダを拠点に世界基準の技術を習得し、世界選手権で優勝・五輪で金メダルを取ったことで、「日本のペアは世界で戦える」という事実を証明した。ミラノ五輪のフリーでは、5位からの大逆転で金メダルを獲得。追い込まれた状況でもミスなく演じ切った演技は、技術の高さだけでなく2人の間の信頼関係の深さを世界に見せた。
また、りくりゅうの活躍は日本のペア競技への注目度を大きく高め、若い世代がペアを目指すきっかけを作った。2人が「引き続きペアを広めていくために新しいことに挑戦していく」と語っているように、競技の外でのその影響力は今後さらに広がっていくはずだ。
ミラノ五輪金メダルの瞬間——あの逆転劇を振り返る
2026年2月16日、ミラノ・アイススケートアリーナで行われたペアフリー。ショートプログラム後に5位につけていたりくりゅうは、フリーで完璧な演技を披露し大逆転で金メダルを獲得した。
リフトで持ち上げられた三浦の身体は宙で静止するように安定し、木原のエッジは微動だにしなかった。ジャンプ・ステップ・スピン、すべてが音楽と一致していく演技は、「この一度のためにすべてを積み上げてきた」と言わんばかりの完成度だった。演技終了直後の静寂、そして割れんばかりの歓声——その瞬間は日本フィギュア史に刻まれた。
今後の活動——ペアを広めるための「新しい挑戦」へ
引退後の活動について2人は「これからもペアを広めていくために、新しいことに挑戦していく」と語っている。指導者転身の可能性や、アイスショーへの参加など具体的な形はまだ明らかになっていないが、競技の外でも2人のパートナーシップは続いていく。
木原は五輪後の会見で「1人ではなくチームで一緒に」という夢を語っており、2人が競技を超えてフィギュアスケート界に貢献し続ける姿が今後も見られそうだ。

まとめ——頂点で終えた、美しい完結
世界最高峰の舞台で金メダルを獲得し、その直後に自ら引退を選んだりくりゅう。「やり切った」という言葉の重さは、2019年のペア結成から7年間、カナダで積み上げてきた時間が物語っている。
日本のペアフィギュアに新しい歴史を作り、頂点で終えた——その完結の美しさもまた、りくりゅうらしかった。
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